SANRIZUKA 2014
三里塚。幼い頃からその名前を知っていた。しかし、周りにその場所を知る人もなく、訪ねる伝手もない僕には、気になるもののどこか遠い存在だった。
時が流れ、縁あって三里塚を訪れた。僕が目にしたものはどこまでも続くフェンスと行き交う機動隊。そして、石を投げれば当たってしまいそうな 機影の群れ。この空間を漂う空気に飲み込まれ、時間を見つけては三里塚に通うようになっていた。
時が過ぎ、三里塚から足が遠のく時期が続いていた。昔のように、頭の片隅で意識し続けた時間だった。宙に浮いた自分の気持ちを確かめるため、久し振りにこの地に足を運んでみると、そこには以前とは違って見える三里塚の風景と人々の姿があった。
成田空港反対農家の市東さんの元に再び通うようになった。何が昔とは違って見えるのか。三里塚の風景は変わってはいない。成田空港のやり方が変わった訳でもなく、政府に対する僕の憤りが消えた訳でもない。ただそれ以上に、ここで淡々と暮らし、揺るぎなく生きる人々の姿に、人間としての共感が僕の中で静かに根を生やしつつある。
Read More時が流れ、縁あって三里塚を訪れた。僕が目にしたものはどこまでも続くフェンスと行き交う機動隊。そして、石を投げれば当たってしまいそうな 機影の群れ。この空間を漂う空気に飲み込まれ、時間を見つけては三里塚に通うようになっていた。
時が過ぎ、三里塚から足が遠のく時期が続いていた。昔のように、頭の片隅で意識し続けた時間だった。宙に浮いた自分の気持ちを確かめるため、久し振りにこの地に足を運んでみると、そこには以前とは違って見える三里塚の風景と人々の姿があった。
成田空港反対農家の市東さんの元に再び通うようになった。何が昔とは違って見えるのか。三里塚の風景は変わってはいない。成田空港のやり方が変わった訳でもなく、政府に対する僕の憤りが消えた訳でもない。ただそれ以上に、ここで淡々と暮らし、揺るぎなく生きる人々の姿に、人間としての共感が僕の中で静かに根を生やしつつある。